グッド・イン・ベッド
元カレが男性誌でコラムを連載しはじめた。そのタイトルが「グッド・イン・ベッド=床上手」で、主人公キャニーは「太った女性を愛してしまうということ」という回に登場する。腹が立つやら悔しいやらで、キャニーは一念発起して(人生で何度目かの)ダイエットを始めるがうまくいかない。実はこのキャニー、ブスでデブでモテたことがこれまで一度もない著者自身の分身。この極めて個人的な苛立ちだとかコンプレックスを、ヒロインの身体を通すことで「義憤」に変えている。たしかに痛快だ。誰しもコンプレックスはある。だから、それでも卑屈にならずに、太った身体のまま「男」ではなく「夢」を求めて邁進するキャニーを気づけば応援している。ただその夢の実現が、「たまたまホテルで出くわした人気女優」と意気投合して、その結果、脚本家デビュー! とくれば、あまりに少女趣味と言わざるをえない。芽生えかけたキャニーへの共感も消え、鼻白んでしまうのである。
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